普通じゃないよ!ポルトガル語レッスン モザンビーク暮らし

これ、なんの図がわかりますか。

これは、毎週ポルトガル語を教えに来てくれているデイヴィッドが、子供の頃銃で撃たれた時の様子を説明する図です。

2発の銃を撃たれた彼はしばらくトラウマの中を彷徨うことになるそうです。

そりゃそうです。無垢な7〜8歳の頃に、大人に撃たれるなんて想像もつかない。

 

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今日この記事に何を書きたいかというと、、、どうやら分かりやすくまとめるのが難しそうです。

ちょっと雑ですがそのまま投稿してもいいですか?いいですよね。そういう一気に書いちゃったほうがいい日もあると思うんです。今日はそんな気分なのでそのままババーっといきます。

ただ、普通にポル語のレッスンを受けるつもりが、毎回とんでもない方向に話が行く、ということ。

それから朝から晩まで、ほとんどのことが予定通りには進んでくれないということ。

たまに予定通りに、自分が思い描いたまま事が進むとなんかハッピーな気持ちになれます。

しかし逆にいうと、それくらい毎日予期せぬ感じでおもしろいってことです。

 

現在は普通に主婦をしているため、たぶん日本やカンボジアにいる時に関わっていた人と比べると、人数での絶対量は圧倒的に少ないのですが(たぶん100分の1くらいの人数だと思います)関わる人たちがのキャラがすごいのと、未知な反応が返ってくるので対応に四苦八苦するけど、これでこそモザンビーク、アフリカに住んでるんだという実感がする。ということを書きたいのだと思います。

 

それからわたしはこの年になっても結構素直な方だと思います。

なのでわからないことを相手が発言すると、サクッと聞きます。それどういう意味?と。

この国で相手が発する言葉は、言語の問題もあるし、文化の問題もあるし、わたしが無知ということも相まって、ほぼ全部がわからないことだらけです。

またコミュニケーションの基本として、相手への関心を持つことが敬意の示し方だと思っていますし、距離を縮めてくれると思うし、基本的に人は自分の話を聞いてもらえるのが好きな生き物だと理解しています。

質問にはみんなすごくちゃんと返答してくれます。また無礼も色々としているでしょうに、割と快く受け入れてくれます。

 

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さて。

ある日のポルトガル語のレッスン。いつも通り「Ola!今週は何してた?」のくだりから始まります。

 

先週は家族旅行で南アフリカにサファリに行ったよ、という話になり、

サファリの動物保護の話、モザンビークのサファリからなぜ動物が消えるのかについて、

動物密猟・密売の話から、結局は政治が絡んでいる、という話になり、

汚職の話、戦争の話になる。

 

会話の中で、なぜいくつかの政権が争う内戦下で、戦争とは無関係の妊婦や小さな赤ちゃんまで殺されるのか意味がわからない。

というわたしの素朴な質問に、

自ら銃で撃たれた跡をみせてくれ、なぜ戦争下ではそんなことが起きるのか、について、

違う民族同士がどのようにして憎しみ合い、どのようにして敵対心を抱き、グループを作り、権力を誇示するのか、権力を持つようになり、簡単に人を殺すようになるのかなど、なにも隠すことなく、丁寧に自分の体験も混ぜながら説明してくれるデイヴィット。

サファリへの旅行の話から飛びに飛び、彼の弾丸の跡を拝見し、戦争中の体験の話へ。

 

あまりにも話が飛びすぎているし、実体験も混ぜ混ぜで、レッスンはもちろん時間内にも終わらないし収集がつかない。

結局、わかったようでわかってないような、戦争中のリアルな話に怯え、お腹いっぱい。

1週間後の今日は絶対にテキスト通りに進めようと思う。

 

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一週経った今日は心機一転。ちゃんとレッスンらしくポル語を学ぼう!とテキストを開く。

 

「彼らにはたくさんの同僚がいます」

「彼女は今日、風邪をひいています」

「すいません、コーヒーと紅茶を一つずつお願いします」

「昨日、ジョアナとルイージは映画を観に行きました」

などシンプルでクリーンな例文を順序良く解き進んで行く。

 

お!今日はテキスト通り!簡単だぜ!

 

と思った矢先、アニータがお母さんが病気で早く帰ると切羽詰まった様子で告げ帰っていく。

 

一瞬の会話で全てを理解した様子のデイヴィッド。

雇い主のわたしは意味不明。

なぜそんなに切羽詰まっているのか、今の30秒の会話で何がわかったのか?

という素朴な質問から、奇想天外はまた始まる。

 

病人の人、とくに死にゆく人には魔術師の監視下の元、特別な魔術を使った祈りが必要であること。

また特にただの病気ではなく、本人が自分は死んでいくと悟った場合、

死にゆく人から残された家族に、選ばれし子孫に、死の間際の秘密の伝言があること。(え、そんなんそんな切羽詰まった時に言わんと遺言状にでも残しておいたほうがいいんちゃうん?)

いやいや、それは遺言状のようには残しておけない。学がなくて読み書きができない人がほとんどである。

(字が書けなくても事前に口頭で話しておいたらいいやん)

事前に話した場合、他者に漏れ聞こえたら、すごい大災難が起きる可能性がある。もしくは自分の家族に被害が加えられる可能性がある。

(え、なんで????)

なぜか?それはアフリカには黒魔術というものが古くから伝わっていて、民間に浸透している。

一つ歪みがあるとその歪みは何が原因か?となり、魔術師の元へ訪ねに行くことになり、それは他者が自分に向けた呪いを施したことに原因がある。それを解決するには、報復としてその悪魔を他所にまた移行させなきゃいけない。

さらに言うと黒魔術にはいろんな力があるし、人を殺す力もある(と信じている人が多い)。

 

また病気などの場合、西洋医学ではなく魔術で病気を回復させようとする場合が多い。

(しかし実際には、歪み、病気、問題等、黒魔術では治せないものも実に多い。(そらそうやろ))

そして同時に人々は魔術では効果がないと知り、西洋医学で直したいという気持ちも持っている。

しかし経済的にそれができない。

もしくは本人が経済的に可能でも、病院の母数の問題、医師や看護師の技術不足でそれが成しえない。

病院内も汚職がすすんでいて賄賂を払わないと見てもらえない。

故にたくさんの子供が死んでいく。

結果それも憎みに変わり、呪いという方法になっていく。そしてその呪いがけっこう効く。という。

(わたしも大いにスピリチュアル寄りな人間だから西洋医学や東洋医学、科学と大いなる信仰の気持ちを両立させうまいバランスをとったらいいんちゃうん。と思っていたけれど、話はものすごいややこしそうである)

 

 

また頻繁に出てくるワード、「我々アフリカの文化」という言葉をいつもわたしは不思議に思っていた。

なぜ「モザンビーク」という一国ではなく「アフリカ」という一括りにしてモザンビークの人はしょっちゅう話すのか?

(例えば日本人は、わたしたちはアジア人だからという文句は滅多に言わないのに、なぜモザンビークの人はアフリカアフリカとこぞっていうのか?いつも疑問に思っている)

など。

アフリカ一つ説にして色々説明されるも、やはりわからず終わってしまった。

 

結局今日も話の内容がぶっ飛んでいて脳みその消費カロリーがすごいことに。

 

そして様々な話は霧の中。

わかったような、わからないような。

 

 

 

このように、普通の期待する型にはまったレッスンで終わらせてくれないデイヴィット。

 

 

ほんと、自分が関わる人みんな、いい意味でも悪い意味でも一切思う通りには進んでくれず、

ものすごいキャラと、未知な反応で対応するのに四苦八苦するけど、

これでこそモザンビーク、アフリカに住んでるんだという実感がする。

 

取り止めがなさすぎて、なんのこっちゃわからんけど、

記録です。

 

これがモザンビークで暮らす、一面です。

 

 

P.S.

ちなみに今朝のヨガのクラスではレセプションのオタビオ君から、アクション映画の製作のお手伝いを頼まれました。彼の夢だそうです。

2人のムキムキのモザン人男子2人に必死でついていったものすごい消費カロリー量の筋トレヨガを終えたわたしのヘロヘロの頭に、

またわけのわからん話が舞い込んできてます。

 

言い出したらきりないので終えときます。チャオ