パーマカルチャーワークショップ in モザンビーク Permaculture workshop in Maputo

パーマカルチャーのワークショップに参加してきました in マプト。

 

マプトから車で1時間ほどのBoane(ボアネ)という地区の農園まで遠足。

IPERMOと呼ばれるエコヴィレッジは、

パーマカルチャー実践の場であり職業訓練の場にもなっています。

 

とても実り多き1日だったので記しておきます。

 

 

田舎道を車を走らせていると、突然現れたこのサイン。

あの東日本大震災が起こった2011年3月から始められたプライベートの施設だそう。

 

自然の摂理を考え、人間の知恵と智慧をふんだんに使う様子に感激しっぱなしの1日でした。

 

早速ですが、最初になんだこの可愛い建物は!と目についたのがこれ。

 

ここは小用のトイレ。

真上から見ると8の字のような作りになっていて、

このHのマークは男性用(HOME)入り口、反対側からはSで女性用(SENHORA)になってます。

ドアも鍵も何もないけど、丸い構造だから誰かが入っているのが入り口付近で分かるので、

自然と困らない設計にはってます。人間の心理的な感覚を考えられた構造でした。

 

 

近くの小学校の子供と一緒に育てている野菜。理科の時間に植物の育ち方を教えているんだと思います。

畑も設備も全てが整然とオーガナイズされてました。

 

 

枯れ草を土の上に盛ってます。

太陽光で土の中に住む微生物が死んでしまわないようにという目的と、それから土の水分を保持させておくため。

モザンビークの日差しはすごくきついのです。

 

 

参加メンバーがこれまた面白かった。

会社の社長さん、土地の所有者、農業の専門家、家庭菜園をしている人など。

土地の規模はそれぞれ違いますが、

みんなオーガニックで野菜を育てたいと思っていたり、

土地作りや環境作り、環境デザインをしたいと思っている人ばっかりで話しててけっこう面白かったです。

 

エコヴィレッジを作りたいというおじさんは、

これからのモザンビークの発展には環境を破壊しながら経済だけが発展するのではなく、

自然と共存した国作りが必要だと語ってくれました。

 

規模がでかい都市計画ですが、自然の仕組みを取り入れた計画でやるといいなぁ。

計画のしがいありありだなーと思います。

 

このような価値観を持つ人と話すのは面白い。

 

 

 

このエリア、最初見たときはレイジングベッドかなと思ったけど、普通に野菜を育てているそうです。

土地がなければこういう方法もありだなーと思いました。

ちなみにこれは全部、お米の袋です。

 

施設内にはあちこちに雨水を上手に貯める仕組みがあって、

貯めた水で魚を養殖してました。

施設の水は、雨水、井戸水、それから上水道の3つのリソースで賄っています。

 

プランクトンがたくさんいる水は、その後畑に使われます。

 

 

綺麗なキッチン。キッチン前のお庭でも炭で調理します。

出た灰は、畑の肥料になります。

 

 

朝食はチーズと卵のサンドイッチ、

昼食は鶏グリルと畑の野菜を出していただきました。

自然の中で食べるご飯、とっても美味でした。

 

残飯はもちろんコンポストにされます。

 

本日の講師。ブラジル人のポールさん。サンパウロから短期でマプトに来ていらっしゃいました。

 

 

施設内を見学。

魚の他には、鶏とアヒルも飼ってました。

鶏の糞は畑の肥料になります。

 

一日を通して総じて思ったことですが、

いかに無駄なく、相乗効果で物事を生かし合わせるか。

そしてうまく循環させるように、デザインを計画的に組み立てるのかが肝だなと思いました。

 

 

コンパニオンプランツのやり方を教えてもらいます。

 

とうもろこし、レタス、ラディッシュ、人参、葉野菜がちゃんと設計されて植えられてます。

この辺は一回説明されただけでは覚えれないので、参考にしながらやっていこうと思います。

 

 

 

感動したのがこれ、なんだと思いますか。

 

正解は大用のトイレです。

 

左手階段を上がって2回部分がトイレになってます。いわゆるぼっとん式に下に落ちて行く仕組み。

便器が2個付いていて、片方が2〜3ヶ月で満杯になると、隣の便器を使い期間交代で使っていきます。

 

用を足したら、水は使わず、一緒に木のチップを入れます。

一階部分が黒くペイントされているのは太陽光を集めて温度を上げて発酵を促すためだそう。

これも畑の肥料になります。

 

ビックリしたのが、一切何の匂いもしなかったこと。

正直、便器に鼻を近づけても一切匂いしません。

ちゃんと発酵して土に還ると変な菌は増えないんですね。

 

 

みんなで畑を散策して説明してもらいます。

自然の農薬の作り方も教えてもらいました。

にんにく、チリ、タバコ、アルコール、水と石鹸で作ります。

 

 

その後2時間みっちりのスライド。

全部ポル語だったので、全然理解できなかったけど(笑)

ポル語。ああ、ポル語様。あなたで苦労させられます。

 

その後は実習。みんなで畑にいきました。

 

この上から垂れている実とその木はなんでしょう?

正解はモリンガ!!

 

モリンガの木の剪定の仕方、そしてその剪定した木の枝の活用の仕方を教えてもらいました。

 

 

木を切って形を合わせます。

 

灰と肥料の混ぜ方。

 

 

マンゴーの植樹。

 

 

植樹後はモリンガの木とバナナの幹をかぶせます。

レモンの植樹。

 

マンゴー→バナナ→レモン→バナナ→オレンジの木を、

モリンガの林の中に、将来大きくなる高さを考えて配置し、一列に植えていきました。

 

今後は、その間にオクラや豆も植えていきます。

 

そういうのも全部計画して植えられてます。

人間が自然の力を上手く引き出す知恵、知れば知るほど奥深いです。

 

 

 

今回は、モザンビークにもこんな所があるんだと知れて、すごくいい勉強になりました。

こういう良い影響がローカルの人、外国人共に、たくさん広がっていったらいいなと思いました。

モザンビーク、まだまだ発展してないし、

南アフリカの様な強国の隣で生きて行くには、

海に面した豊富な資源がある国だし、

エコツーリズムに力を入れたらいいのになーなんて思いました。

 

 

いい遠足でした。マプト在住の興味のある人、ぜひ行ってみてほしいなぁ。

 

「生きる」ということは、

断片的な要素がブロックのように積み重なってできるのではなく、

様々な関係と時間が丸く円を描くように繋がりあって、それが一つの「生きる」というあり方になっているだと

なんだか理解したというか、体感した一日でした。

 

 

参加者の少年にケータイで撮ってもらった記念写真載せておきます☺️

 

みんな楽しそう☺️